タイトル | Night for Java The second duke-in-the-box BOF meeting |
日時 | 1999年7月13日(火) 20:30〜22:30 |
会場 | Bar BREATH (神奈川県横浜市西区) |
参加対象 | Javaカンファレンス会員または非会員 (食べ物+飲み物放題で5,000円) |
参加人数 | 63名 |
主催 | Javaカンファレンス 自信作披露&じまんBOF (通称 Duke-in-the-Box BOF) |
参考 | 1999年7月13日〜15日にかけてパシフィコ横浜で開催された「Java Developer Conference 99 Tokyo」に合わせて開催 |
トップバッターは、世界のアラン・ケイさん。 ニフティで先日から始まった新サービス「InterPot」の紹介が行われた。 サーバ、クライアントすべてが Java で構成されたシステムで、ここまで 本格的に Java を採用したシステムは無いため、ある意味「賭け」だった。 ノート PC 上に7つの JVM を起動させてのデモだったが、この程度には動く とのこと。 「8月からはお金を払った人しか見られないので、今のうちに見て置いて ください」と宣伝していた。 また、「InterPot」という名前の由来については、「インターネット上に構成 される植木鉢」という意味で付けたそうだ。
「Beans Flavor」で有名な「まも」さんによる、JavaOne で販売された Palm V に搭載されている KVM の実演が行われた。 クラスライブラリの一覧や、Duke 君が動くデモなどを見せたあと、「自分が 作ったものじゃないとつまらないので」と、「どのJavaの本にも乗っている」 スケッチブックを実演した。
IMJ さんによるチャットソフト「LOOPiT」が紹介された。 とてもかわいいイラストとキャラクタが目を引いたが、Java を使用しているの はサーバだけで、クライアントは Director を使用していると説明した途端、 会場からブーイングが。 さらに、初めて PowerPoint を使ってプレゼンテーション資料を作ってきたと 言ったところ、さらにブーイングが起きていた。
沖電気工業の村田さんによる、「PENSEE Java 版機械翻訳システム」のデモが 行われた。「JESS '99」で Sun が行った HotSpot のデモにも、このシステムが 使われており、今回も2台の同スペックのノートパソコンを駆使して、その デモの模様が再現された。 最初のうちは、通常の JIT の方が勝っていたが、しばらくすると HotSpot が 逆転。時々「変換できないのであきらめた」というようなメッセージを出し ながらも、10分以上延々と動かし続け、最終的には JIT に2倍の差をつけて HotSpot が勝利した。 ちなみに、同じデモを続けてやると、2回目は最初から HotSpot の方が早い。 1回動かしておくのは、デモでの常套手段だとか。 また、メモリ使用量についても HotSpot が有利で、JIT 使用では簡単に 「out of memory」になってしまうが、HotSpot ではなかなか発生しないらしい。
gram design さんによって、回覧型ページャ「Rondo」がデモされた。この ソフトでは、複数人に対してメッセージを送る際、順番にメッセージを回覧して いくという点がユニークである。タイムアウト時間を指定することにより、 相手が不在の場合であっても、一定時間経過すると次の人にメッセージを回して しまうことが出来るそうだ。
サンズの遠藤さんによる、チャットソフト「Murmur」と、本邦初公開の掲示板 ソフト「Sig'n」のデモが行われた。「Murmur」は何度かデモを見ていたが、 Macintosh で動かすために多大な工数をかけたとのことで、苦労が偲ばれる。 また、「Murmur Player」を使用することによって、過去のチャットログを再生 することもできる。 一方の「Sig'n」は、「Murmur」と少し似たようなコンセプトの、ビジュアルな 掲示板である。ボードにメッセージを次々と貼り付けていき、また引用は線で メッセージを結んで行う。ボードの右上に用意された三角ボタンを押すことに よって、時間を進めたり戻したりすることが出来るので、これでメッセージの 前後関係が分かるというのが面白い。
NK-EXA さんによって、「DP/Perspective」のデモが行われた。これは、二次元 の写真画像をなぞるようにしてポインティングしていくことによって、三次元 データを作成するというもの。中央の料理のテーブルの周りに人が群がっていた ため、いまいちよく見えなかったが、三次元化された車のデータをぐるぐる 回していたようだった。3次元表示には Java3D を使用しているとのこと。
PFU の有我さんがデモされた「JSparrow」は、Java から OpenGL を直接使う ことによって三次元画像を表示するというもの。P5-166MHz の PC と JDK 1.1 を使用して、非常に高速に画像が表示されていた。ティーポットを表示させる と、途端に処理が遅くなったりもしたが・・・。 続いてのデモでは、右のキャンバスにイラストを描くと、その画像が立方体に 貼り込まれるというもの。お絵描きの担当は PFU の中山さんで、ポケモンと 見せかけて Duke を描くという大技を披露していた。 OpenGL Binding の標準化の候補として3つが上がっているが、「JSparrow」も その中の1つに入っている。「JSparrow」の特長は、Cのソースからほとんど そのまま移行出来るということで、有名な「ideas」のデモなどを動かしていた。
タイムインターメディアのえんどうさんによって、Java3D のデモが行われた。 「Java Binding よりとても遅いのですが」と言いつつ始まったが、「あー、 バッテリーが無くなるー」と言い残して、ブラックアウト。会場がどっと沸いた。
技術評論社さんより、「Vine Linux」とワインのセットが3セット提供された。 技評の五味さんが不在だったため、世界のアラン・ケイさんによるじゃんけん 大会が行われた。当選者は以下の通り:
NTT コムウェア 山下さん、ジャストシステム 山本さん、木村さん
午後10時30分、大変に盛り上がった中、「Java Night」が終了。 外に出ると激しい土砂降りとなっていたが、日本の新たな Java 事情の始まりを 感じさせるのにふさわしかったのかも知れない。